ユーロ安10年半ぶり水準
ユーロ安10年半ぶり水準(1面)
1ユーロ100円を切りそうになりました。
ユーロは年明け以降、正念場を迎える時期が訪れます。
欧州金融機関の社債償還。
償還、、、とは言うけれど、要するに買い替えできる資金が欧州にあるかどうかということです。
資金不足に陥った金融機関は借り換えに応じることを控える恐れがあるので、それを見越してのECBによる資金供給(3年)だったとみているのですが、これが機能するかどうかは、1月の動向をみつつ、イタリア・スペイン国債の償還額が大きくなる2月が正念場になるのかな。。
この他にも懸念事項といえば、欧州金融機関にしばられている自己資本比率のルール(9%)。
2012年6月末までに実現させておく、という内容ですが、債務圧縮に伴う実体経済の悪化は到底避けられそうにありません。
こういった事態を防ぐ措置として、ECBによる国債の買い入れという手法があるのですが、「インフレを引き起こしかねないので適切ではない。」とか「ECBのバランスシートが拡大するから危険。」といった解釈があるようです。
この欧州の場合を考えると、お金をたくさん刷ればインフレが起こるかどうか、、、、、というと、決してそうではなくて、お金を刷って、それを市場が大々的に借り入れていくこと、さらにお金と引き換えに入手する製品やサービスが不足すること、ドイツが嫌がっている危険なインフレにはこの二つが必要です。
需要増加(お金をいっぱい手にした人々)と供給不足(製品やサービスが不足すること)がマッチングしたときにインフレは危険なインフレへと動いているのは過去の歴史が証明しています。
WW1後のドイツや最近のジンバブエなんかはこのインフレの典型。
お金はどんどん増えるのだけれど、買う物が無い、オークションのように加速度的に値上がりしていきます。
ECBの国債買い入れでこの事態に陥るかと言うと、、、国債を買い取ってもらった金融機関がお金を市場に投入することは考えづらいですね。貸し渋りを控えて、安全資産で運用すると思います、、、つまりまた国債に戻るってことです。
こういう形で一時的に金融不安を抑えている間に実体経済の回復を待つ、、、いまアメリカがこれをやっているのですが、個人消費が回復してきました。回復した原因がこの金融緩和によるものなのかどうかはわからないのですが、回復を支援していることは間違いないでしょう。
もしもこれで経済回復傾向が鮮明になったら、また資本主義が進化することになります。
不況を乗り越える方法がわかったことになるのですからね。
※皆で一生懸命働いて製品やサービスをたくさん生み出して皆で分け合う、、、、これが理想であって、お金なんて必要はないのではないか?という考え方もできますが、、、これを目指したソ連と中国は失敗してるんですよね、、共産主義です。
人間は欲深い生き物なので、エサをちらつかせないと頑張らない生き物です。
いまのところ資本主義はこの人間の特性を最大限に生かした仕組みだと思ってます。