欧州国債売り圧力一段と

欧州国債売り圧力一段と(7面:国際2)

欧州国債の売りが続いていますが、そもそも売っている人達が誰なのかの確認がいつも抜けています。ファンド勢や欧州以外の金融機関、それと欧州の金融機関です。前者は保有額もそれほど大きくなく単純に顧客のニーズに応じて売り抜けているにすぎませんが、後者の場合、ポジションも大きく売らざるを得ない状況に追い込まれています。

というのも、金融機関の自己資本規制9%を達成するためには、資産と負債を両方下げていく必要があるからです。具体的には、国債を売却して、借入金の返済にまわすといったような流れです。この流れは金融機関同士で国債価格の値下げ合戦に発展するため、負のスパイラルが続くという危険性をはらんでいます。

だからこそECBが国債を買うべきだという論調が大きくなってきているのですが、ドイツが一向に拒み続けています。(過去のハイパーインフレの経験が大きいと思われます。)

※いまヨーロッパで起きている現象はシステム上の欠陥のため。システム上の欠陥を無理なくなおすには、いったん国債価格の下落をとどめたうえで実行しないと収集のつかない事態に発展してしまいます。これまでの金融の常識を前提にすると、この理屈はわからないでしょう。